2015/10/21

学校で講師をして感じた「教える難しさ」と「信頼し任せる大切さ」

2015年5月の話。

2015年3月末に会社を退職してから、ニート 仕事のないフリーランスをしていた。そんな中、元同僚から「学校でプログラミング教えてみない?」という電話がかかってきた。

講師経験は大学でSAしただけだったが、めったにできない経験だし、自分の勉強にもなりそうだし、収入もないし…、無職だし……。

ということで、ふたつ返事で承諾し先方とのやりとりが始まった。



教える内容・条件 と 生徒のレベル


教える内容と条件は以下のとおり。
  • 「やさしいC」という参考書を使う
  • C言語の基礎から条件分岐、できれば繰り返し処理までを教える
  • 期間は9日間(約50時間)
  • 脱落させない授業をする


特殊な学校(公的機関)なので、生徒の幅が広かった。
  • 高校卒業したてのプログラミング未経験者
  • 大卒のプログラミング経験者
  • かつてプログラマとして働いていた人
  • ちょっといろいろ事情がある人 
  • 18 ~ 40歳までの計20名

最初は、50時間かけて基礎から条件分岐までとかどんだけスローペースやねん!とか思っていたが、生徒のレベルを聞いて納得した。
そして、生徒の年齢、実力だけでなく「やる気」にも差があったことで後々苦労することになる。



教える上で気をつけたこと

C言語は入社前研修で1ヶ月やっただけ。
そんなポインタで挫折する前にやめてしまった私が、教える上で気をつけたことがある。

「私」を好きになってもらう


学生時代、キライな先生はいただろうか?
キライな先生が担当している教科の成績は?

私は、キライな先生の教科はことごとくキライだった。
先生キライ → 授業もキライ → 成績があがらない → ますますキライになる → …

逆にスキな先生の教科は?
先生スキ → 授業もスキ → 成績があがる → もっとスキになる → 自分で勉強しよう!


生徒がプログラミングを好きになるかどうかは、私にかかっている!!


だからこそ、「私」を好きになってもらうために精一杯努力した。
友達感覚でおしゃべりしてみたり、良いところは認めて称賛してみたり、悪いところは忍耐強く対応してみたり、、、


参考書にのってるモノより、自分にしか教えられないモノを


参考書の内容しか教えられないのなら、私がいる意味がない。

理解できなければ質問すればいい。
ググれば、わかりやすい解説が読めるだろう。


だからこそ、参考書の内容より、もっと大切でおもしろいことを伝えようと思った。
それは、私がプログラミングをはじめて今までに得た知識と経験だった。



現場ではこうなってるよ、参考書にはこう書いてあるけど普通は別のやり方をするよ、問題解決はこんな感じにね、こんな失敗をして恥をかいたからマネしないでね、などなど



教えることは難しい

人に教えるには、3倍理解していないといけない。

よく言われることがだ、そのとおりだと思う。
これが教えることが難しいといわれる所以だったりする。

この他にもいろんな壁にぶちあたった。


「ワカラナイ」と言えない生徒がいる


このタイプの人は、スキルレベル問わず一定確率でいる。
ご多分に漏れず私も「ワカラナイと言えないタイプ」だった。


ワカラナイというのが恥ずかしい。
ワカラナイけど、どうやって質問すればいいのかワカラナイ。
ワカラナイけど、そもそも何がわからないのかワカラナイ。


ワカラナイと言えない生徒を放置してしまうと、以降の授業すべてがムダになってしまう。
だから、ワカラナイと言えない生徒を探さなければならなかった。


居眠りする生徒がいる


前述のとおり特殊な学校だったため、初回プレイヤーもいれば、強くてニューゲームのプレイヤーもいる。


できる生徒にあわせると、できない生徒が置いてけぼりになる。
できない生徒にあわせると、できる生徒が時間を持て余す。

そして、みんな夢を見る。


生徒が居眠りするのは、生徒が悪いのではない。
先生の授業の進め方に問題がある。


せっかくお金を払って、時間を割いて登校しているのに居眠りさせてしまっては申し訳ないと思った。



教える より 信頼して任せる


これらの原因は、、、

ひとりで教えることにこだわりすぎた。

そのため、2日目以降は前日までの反省を活かし、授業の進め方や自身の考え方を変えていった。


練習問題より実用的な演習問題


「Hello, World」を出力しても特におもしろくない。
私は「Hello, World」なんかどうでもいいから、なんかアプリつくりたい!と思うタイプだった。

基礎中の基礎の問題は、非常につまらない。
そのため、練習問題よりも独自の演習問題の割合を大きくした。

演習問題の内容は、教えた範囲より少し先の文法を使う高めの難易度に設定した。
そして、なるべく実用的な問題(金額計算や単位変換とか)を出すようにした。



「解けなくて当然、解けたらすごいよ!」ってくらいのノリで。
すると、できる生徒は自ら学ぶようになってくれた。

できる生徒が演習問題をやっている間に、一人ひとり見まわって声をかけ、ワカラナイといえない生徒やできない生徒にマンツーマンで教えた。


生徒を頼り、お願いする


1クラス20名だとマンツーマン授業もツラい。
そこで、生徒にサブ講師的な役割をお願いして、他の生徒をフォローしてもらった。

生徒同士なので一緒に考えたり、質問したりしやすかったと思う。
私にとっても、目の届かないところまでフォローしてくれたのでありがたかった。



次は、独自の演習問題を考えるのがツラくなった。
そこで、生徒に演習問題をつくってもらった。

そしてみんなで解く。もちろん私も解く!
あーでもないこーでもないと相談しながら積極的に学んでくれた。



最後は、生徒にC言語について教えてもらったw
前述のとおり、C言語の知識はポインタ前までしかない。
ともすれば、私より詳しい生徒だっている。

そんなときは「ごめん、教えてw」と逆に生徒から教えてもらった。
間違いを指摘してもらったし、新しい発見もできた。



生徒主導の授業に変えたら、居眠りする人はいなくなった。



教える より 教えられた


やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず



教育する上で一番大切にしている山本五十六の言葉。
このことを常に考えながら講師の仕事をしてきた。

そのかいあって、生徒にも職員にも好評な授業ができた。


と、偉そうに教育者としての思ったことを述べてきたが、実際は「教える」ことより「教えられた」ことの方が圧倒的に多かった。

C言語についても教わったし、学校の近くのコンビニの場所も教わった。
リーダーシップやマネジメントについても教わったし、流行りやドールについても教わった。

充実した9日間だった。



講師の仕事を紹介してくれたAちゃん、学校でお世話になったO先生とW先生、そしてC言語コースの生徒たちには感謝してもしきれない。

ありがとうございました。



教えるときに使った資料

以上

written by @bc_rikko



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