オススメ度 : ★★★★☆
ひと目でわかるMicrosoft Visual C# 2010アプリケーション開発入門
著:伊藤達也、チーム・エムツー
C#の勉強に「ひと目でわかる Microsoft Visual C# 2010 アプリケーション開発入門」を購入
本書を読んだ感想を、良い点、悪い点と書いていきます。
これからC#の勉強をするという方や、本書が気になってる方の役に立てば幸いです。
参考書えらび
私のスキルとしては以下のような、ほぼプログラミング初心者です。
・ VBA や VB.NET を仕事でちょっと触ったことがある
・ 配列、if文、for文などの基礎はわかる
参考書に求めたモノは以下のとおりです。
・ オブジェクト指向プログラミングが学べる
・ アプリケーションの作り方が学べる
C#を学びながら、Windowsアプリケーション開発ができる
本書が最適と思い購入しました。
良いところ
1.ド親切設計!!
驚くほど親切に書かれています。
全ての手順が画面イメージとともに書かれているため、どんな初心者でも書いてある通りに操作すれば、必ずWindowsアプリケーションが作れます。
本書は「Visual Studio 2010」を使って書かれていますが、
「Visual C# Express Edition」と操作が異なる場合は、全てに注釈が書かれています。
2.クラスをどのように分けるか?
他の参考書ではあまり触れられておらず、悩む方も多いと思います。
それを「Model-View-Controller」に則りクラス分けするだけでなく、
汎用性を持たせるために基底クラス(スーパークラス)を作り、
それを継承し派生クラス(サブクラス)で個別ロジックを実装していくなど
オブジェクト指向の観点から説明されています。
3.サンプルがシンプルでユースフル
各章を通して「タスク管理アプリケーション」を開発していくのですが、
シンプルなのに設計がしっかりしています。
LINQ to SQLや WPF(Windows Presentation Foundation)にも触れられています。
デリゲートについても匿名メソッド、ラムダ式に触れられていますが、
ちゃんと知りたい場合は、他の参考書が必須です。
エラー処理やイベント処理などアプリケーション開発にとって基礎となる部分は、
しっかり説明されているので問題ありません。
いまいちなところ
1.説明不十分
筆者の伊藤達也氏のブログにもある通り、本書はメイン参考書にはなりません。
プログラミング未経験者で「前置きはいいから、とりあえず何か作りたい!」という人や
C#は理解しているがアプリケーションの作り方がわからないという人向けです。
足りない部分は他の参考書やサイトなどで補う必要があります。
2.読者に考えさせるスキマ
内容がド親切設計のため、何も考えずに進められます。
そのため、自分で 「考える」 「解く」 「理解する」 のプロセスがありません。
それが本書の良い点でもあるのですが、アプリケーションが完成しても
「自分で作った感」がなく「いつの間にか完成していた」というのが本音です。
何から何までが書いてあるため、受動的になりやすい本かもしれません。
3.あくまで簡易マニュアル
Windowsアプリケーションを作るための簡易マニュアルであり、それ以上でもそれ以下でもない。
理屈ありきで勉強したい人には、オススメできません。
総評 ・ まとめ
オススメ度 : ★★★★☆
全体的に親切で、躓きもせずにアプリケーションが作成できるので
Windowsアプリケーションの作り方を学びたいと思っている人にはオススメです!
コラムは「staticの使い所」や「フォームコントロール」など役立つ情報が掲載されておりました。
サンプルソースも日経BPのサイトに公開されていますので、
ビルドエラーがどうしても解決できない場合は、サンプルソースと自分で作成したソースを
WinMergeやDiffといったファイル比較ツールを使うと一発で原因がわかります。
C#やVB.NET、Javaの言語仕様がなんとなく理解できている方にオススメします。
全くの初心者の方は他の参考書やサイトである程度知識をつけてからの方が
理解度が違うと思います。
ちなみに下図のようなアプリケーションが作成できます。
左:Windowsフォームで作成した「タスク管理ソフト」 右:WPFで作成した「タスク管理ソフト」 |
以上
感想をありがとうございます。
返信削除とても嬉しいです。
著者本人からコメントをいただけて感激です!
削除ブログ(http://blogs.bitlan.net/ito/?p=3031)でも取り上げていただきありがとうございました。
他のC#の参考書を読んでいくうちに本書のコンセプトがいかに素晴らしいものだったのか実感しました。
「作って学ぶ」が言語習得の一番の近道ですね。