2014/01/25

ブラック企業社員が教える採用情報でブラック企業を見分ける方法

2013年流行語にもなった「ブラック企業」 

 就活生のみなさん、ブラック企業に入社したくないですよね? 
でも、どうやったらブラック企業って見分けられるのか?

 その悩みに「採用情報」に提示されている情報だけでブラック企業かどうか見分ける方法を紹介する。

ネットでよく見る「アットホームな会社です」とかそう言ったたぐいの抽象的なことは言わない。 
より具体的に、何がダメなのか分析していく。

ブラック企業に入社したくない就活生に、ぜひ参考にしていただきたい。


追記: 2016/12/26 7:30
ブラック企業で過労死しかけたので4年分のタイムカードと実態を暴露した。一歩間違うとこの記事のようなことになりかねないので、入社する会社は慎重に選んで欲しい。




ブラック企業とは?



労働者を酷使・選別し、使い捨てにする企業。
引用元:ブラック企業 とは - コトバンク
要は、人を人として扱わず道具のように酷使し、使えなくなったら捨てる企業のことだ。 
さらに具体的に踏み込んでいくと以下のようなものがあげられる。
  • 薄給、またはサービス残業
  • 過重労働
  • パワハラ・セクハラ
などなど、いろいろなことが挙げられる。



ブラック企業の見分け方



1.給与を手当で嵩上げしている



【例】
■東京
  大学院卒   :月給21万円
  大卒     :月給20.5万円
  短大・専門卒 :月給20万円
■名古屋
  大学院卒   :月給19万円
  大卒     :月給18.5万円
  短大・専門卒 :月給18万円
■大阪
  大学院卒   :月給18万円
  大卒     :月給17.5万円
  短大・専門卒 :月給17万円

※地方手当含む(東京:5万円、名古屋:3万円、大阪:2万円)
  皆勤手当含む(1万円)
  特別手当含む(1万円) 
一見すると、大卒東京勤務で初任給が20.5万円ならいいじゃん!
なんて思うかもしれないが、間違いである!

残業代、ボーナス、退職金などの計算基準は「基本給」である。

カンの良い方は既にお気づきかもしれない。
上記例でみると大卒東京勤務の「基本給」はなんと13.5万円しかない!


残業代の計算を例に取ると、以下のような式になる。
残業代 = 時給 × (割増率 + 1)

まず、基本給から時給を求める。
 基本給20.5万円 → 10,250円/日 → 1,281円/時間
 基本給13.5万円 → 6,750円/日 → 844円/時間
 ※1ヶ月20日、1日8時間


残業代の割増率を0.25とした場合は以下のようになる。

・ 基本給が高い企業
 残業代(1時間あたり) = 1,281円 × (0.25 + 1) = 1,601円/時間

・ 手当で嵩上げしている企業
 残業代(1時間あたり) = 844円 × (0.25 + 1) = 1,055円/時間


これでいくら働いても給料が全然貰えない仕組みがお分かりいただけただろうか。

中には「みなし残業」という巨大な罠を仕掛けている企業もある。
残業代が最初から給料に含まれているため、いくら残業してもお金にならない最悪な事態になる。
月俸制や年俸制と書かれていた場合は、「みなし残業」になる場合が多いので特に注意が必要だ。


給与情報の手当に注意しろ!



2.平均年齢が若い



フレッシュな職場だな!と思った方はちょっと待って欲しい。

平均年齢が若いというのは中堅社員以上がいない(辞める)ということだ。
若手社員と幹部(年寄り)だけで会社を構成していることがわかる。

幹部は現場では働かない。
実質、現場で指揮を執り、働くのは若手社員となる。

ノウハウや技術の少ない若手がプロジェクトを担当したら
プロジェクトを管理できるだろうか?
正しい見積もりができるだろうか?
お客様に対して、強く意見を言えるだろうか?

答えは、Noだ。

当然、プロジェクトは炎上する。
そして、デスマーチが始まる。


平均年齢が低い = 離職率が高い!



3.主要取引先が少ない、または一部に偏っている



案外目を通さないのが「主要取引先情報」だ。

安定した取引先があるのは良いことだ。
ただ、あまりに偏りすぎるのは問題がある。
その会社の下請けをしている可能性があるからだ。。

取引先が少ないからどんなに安い仕事でも、どんなに無理な注文でも、断れないのだ。

だから、どんなに頑張って働いても自分たちの給与・ボーナスは上がらない。
元請け会社の肥えさせるだけなのだ。


主要取引先を見ろ!



4.従業員が少ないのに勤務地が多い



勤務地が多いデメリットは2つある。

1つは出張、転勤が多い。
もう1つは利益が出ない。

まずは出張、転勤について。
言わずもがなだが、勤務地が多ければ多いほど転勤の可能性が高くなる。

ちょっと暇を持て余しているときに、別の勤務地で炎上プロジェクトが発生すると総動員をかけられる。
最初は1ヶ月の予定が、3ヶ月、半年、1年と伸びに伸び、最終的に転勤になる。

出張中も住んでもいない家の家賃は払わなければならないし、出張先はレオパレスみたいなところ。
お金も貯まらず、精神的に追い詰められていくだけだ。


次に利益について。
勤務地(支店)がいっぱいあるから、それだけ売上もあるんでしょ?儲かってるんでしょ?
一理あるが、間違いだ。

東京は儲かる傾向にあるが、地方の支店ほど赤字になる傾向にある。
東京で売上を伸ばしても会社全体で見るとプラスマイマス0になる。

あなたが首都圏で一生懸命働いているとしよう。
地方で暇している人のために自分の給料が上がらなかったらどう思うだろうか?

働けども働けども給料が上がらない原因はそこにある。


勤務地の多さ ≠ 儲かっている



最後に



私が就職活動をしていた時は、リーマンショック直後で内定切り、就職浪人が問題となった時期だった。
何十社受けても心のない「お祈り」しかこない。

ただ、今は違う!
なんだかんだでアベノミクスにより景気は上向きつつある。

ここまで読んでいただいた方には、自分の働くところをどうか真剣に考えてほしい。

社会人はスタートダッシュが重要だ。
最初にブラック企業に就職すると心身ともに蝕まれ、転職すらままならなくなる。
将来のこと?結婚?そんなことは考えられない。
今日生きるので精一杯になってしまうから。


これ以上、ブラック企業の犠牲者を増やしてはならない。
お願いだから、悔いのない就職活動をして欲しい。



以上

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