ググってもよくわかんない。
ということで、「21世紀の資本」を買おうと思ったのだが、めっちょ高い!
そして700ページ超という超大作。読める気がしねぇ……。
と思ってた頃にちょうど本書『まんがでわかる ピケティの「21世紀の資本」』が発売された。
マンガ担当が『まんがでわかる 7つの習慣』でおなじみの小山鹿梨子さんということもあり即買した。
本書をオススメしたい人
以下のような人たちにオススメしたい。
- 「21世紀の資本」の概要を知りたい人
- 経済格差がなぜ生まれ、なくならないのか知りたい人
- 文鳥が好きな人
ちなみに『21世紀の資本』は、過去200年以上の世界各国の経済データを分析した"社会経済全体の研究結果"であり、「資産を持とう!投資しよう!働くのなんてやめてFXや株、不動産投資で儲けよう!」といった内容ではない。
投資について知りたい方は、『全面改訂 超簡単 お金の運用術』をオススメしたい。
あらすじ
中小企業(しかも倒産しかけ)に勤める、100円でも節約したいと思っている低賃金で資本も何もない若者、月村ひかりが経済的に自立していくストーリー。
文鳥の飼い主が集まる交流会で知り合った貧乏OLの月村ひかりと大資産家の娘、天ノ川恵。2人の間に厳然と横たわるのは、ピケティが描いた「持てる者」と「持たざる者」の格差の壁。個人ではなす術もない大きな経済の趨勢を実感しながら、それでも流されたくないと願うひかりの選択とは―?いま最も熱い経済書の要点が、広がる格差の理由を示すr>gの意味がまんがでわかる!原書を訳した山形浩生が監修!
「BOOK」データベースより
自分自身と重なるところが多すぎて、涙なしでは読めなかった。
r > g とは?
ピケティの『21世紀の資本』と一緒に語られるのが「r > g」という不等式。
r:return(資本収益率) > g:growth(経済成長率)という意味で、なぜ格差が広がるのかに対する答え。
r:資本収益率 とは?
1年間に投下された「資本」で得られた「収益」が、その資本の何%に当たるかを指す。
たとえば、100万円を貯金して、1年後に5万円の利息がついたら、資本収益率は5%となる。
この資本収益率は、歴史的に4~5%で安定してきた。
g:経済成長率 とは?
前年と比べて、国の算出が何%上昇・書こうしたかを示す。
たとえば、前年の年収が300万円で、今年昇給して年収が315万円になったら、経済成長率は5%となる。
この経済成長率は、1~1.5%の成長が限界だといわれている。
なぜ r>g だと格差が広がるのか?
投資は金額が大きければ大きいほど、高い収益が得られる。
資本収益率が5%だとして、1億円を投資したら500万円もの収益が得られる。
※ ここでは税金については考えない
日本のサラリーマンの平均年収は400万円強なので、資本が1億円あれば働かずしてサラリーマンの平均年収以上稼いでいる計算になる。
10年間5%の収益が続くと、資本1億円は1億6288万円となる。
年収400万円のサラリーマンが、25%の昇給をし500万円になったところで、資本収益には追いつくことができない。
このようにして、労働収益(働いて稼ぐ)よりも資本収益(投資して稼ぐ)の方が大きいため、格差が広がってしまう。
さいごに
今回紹介した「r>g」以外にもいろんな法則が紹介されている。
本書を読むだけでは『21世紀の資本』のすべてを知ることはできないが、重要なところは丁寧に紹介されている。
監修者があとがきで以下のようなことを述べている。
いままでデている各種のピケティ解説本の中で、素直かつ明確に『21世紀の資本』を説明しているという点では、本書はかなり上位にくるはず。というか、そうなるように監修いたしました……
p.170
主人公(月村ひかり)が悩んでいるところが、今の私にピッタリと合致しており、読んでいて辛くなった。
小山鹿梨子さんが書く『まんがでわかるシリーズ』の主人公は、なんでこんなに自分に当てはまるのだろう…。
また、本編には前作『7つの習慣』の「バーSEVEN」らしき場所や、「グラフィックデザイナー(上原)」らしき人物が登場する。
前作を読んでいる人には、楽しめる要素もあるのでニヤッとできる。
以上
written by @bc_rikko
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