オススメ度:★★★★★
やる気をなくす悪魔の言葉vsやる気を起こす魔法の言葉
著:岩﨑由純
一緒に憎まれ口を叩くが、なぜかみんなに信頼されている。
みなさんの周りにもそんな人いませんか?
なんでそんなに信頼されるか、一緒に仕事をしていて気持ち良い人なのか
を考えているときに「やる気をなくす悪魔の言葉vsやる気を起こす魔法の言葉」に出会い購入。
本書を読んだ感想をまとめていく。
モノは言いよう
本書で言いたいことを一言でまとめると「モノは言いよう」
どんな言葉でもポジティブ思考に変えることで、全てがうまくいく。
悪魔の言葉と魔法の言葉は紙一重かまたは裏表
46ページ
それを言いたいがために約200ページの本を書いたとも言える。
意外とできる人がいない「魔法の言葉」
私事だが、入社1年目から2年間、会社創立以来最凶の大炎上プロジェクトに放り込まれていた。
そこで残業100時間超が2年も続くような超過重労働をしていた。
そこにいたリーダーが、私の20数年の人生で最も嫌いな人間になった。
本書で書かれている「やる気をなくす悪魔の言葉」が全て当てはまったのだ。
こんな状況にいたからこそ、本書は他の自己啓発本とは違う「説得力」があった。
大炎上プロジェクトで数百人もの人と一緒に仕事をしてきたが、
驚くことにほぼ全員が「悪魔の言葉」使いだった。
人を責めず、方法を責めろ
「なぜできないんだ」という「WHY」での問いかけではなく「どうしたらできるようになるだろうか」「もっと他に使えるものはないのか」「これを他の用途に使うことはできないのか」という「HOW」や「WHAT」での問いかけが、脳を禁止令から解き放つ「魔法の言葉」となるのです。
141ページ
失敗したときに人を責める人が多い。
中には失敗したことだけでなく人格否定をする人も少なくない。
「なぜこんなことができないんだ!」
「俺がお前と同じ歳の頃はもっとできた!」
「大学で何を学んできたんだ!」
とよく聞くことがある。
最初のうちは、「すみません。○○が××で△△のためできませんでした。」と
自分なりに失敗した原因を分析しながら謝っていた。
しかし「なぜできないのか」という問いに答えたのに「口ごたえするな!」と一蹴されてしまう。
こうなってからしばらくして、私はこの人の話を無視するようになった。
実体験があるからこそ、「Why」で問い詰めることがいかに無駄なのかがわかる。
「Why」は今回失敗したことへの指摘
「How」や「What」は次失敗しないための指摘
どちらがその人のためになるかは一目瞭然である。
信頼されるためには相手を認める
人心掌握が上手な人とそうでない人、つまり「人のやる気を引き出すことができる上司や指導者」と「人のやる気を奪う上司や指導者」の違いは、もしかするとたったひとつで、「相手は認められたい」「相手は褒められたい」と権現的に思っていると、知っているか知らないかだけかもしれません。
196ページ
誰しも褒められたり、認められたりするのは嬉しい。
逆に怒られたり、貶されたりするのは無性に腹が立つし、
正当な評価をしてくれないとも思ってしまう。
山本五十六が遺した言葉に以下のようなものがある。
やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。
ここまでしてくれなくても部下は「助かったよ」とか「これできるの?すごいね」という些細な言葉だけでも頑張れるし、そんな言ってくれるんだったら上司のためにも頑張ろうという気になれる。
相手を認めることが、信頼関係構築の第一歩である。
成功を掴みとる「成功のイメージ」
それは「思考は現実化する」「イメージしたことが現実として起こる」ということ。つまり、「失敗をイメージすれば失敗が現実化」し、「成功をイメージすれば成功が現実化する」というのです。
27ページ
私の20数年の人生の中、ネガティブ思考で成功したことは一度もない。
逆に自分ならできるとポジティブ思考でなら何度も成功することができた。
松岡修造のあのクソ暑苦しいほどのポジティブ発言の数々。
あれで選手生命が絶たれるような大怪我から、ウィンブルドン ベスト8まで上り詰めた。
それはひとえにあのポジティブ思考の賜物と言える。
総評・まとめ
オススメ度:★★★★★
指導者だけでなく、管理職、教員、学校の学級委員や部活の部長まで幅広くオススメしたい一書。
オススメというより絶対必読!!
あわせてデール・カーネギーの「人を動かす」を読むと尚良い。
ただ、内容は同じ言葉の繰り返しが多く、表現の統一もされていない。
中には3行中に「マイナスのスパイラル」、「負の循環」、「悪循環」、「負のスパイラル」なんて表現が並んでいた時は苦笑してしまった。
冒頭の通り本書は200ページあるが、重複箇所を省くとおそらく3分の1くらいのボリュームになると思う。
時間がない場合は、最後の「やる気を引き出す魔法の言葉10訓」さえ読めばよい。
さらに時間がない場合は、最後の「魔法の言葉 逆引き辞典」だけでもよい。
重要なのは本書の内容ではなく「魔法の言葉の実践」だから。
日本中を「魔法の言葉」でいっぱいにして、7年後の東京オリンピックに向けて活気ある日本にしたい。
以上
0 件のコメント :
コメントを投稿